

高知県屈指の清流である奈半利川の河口近くにある「西岡養鰻株式会社」。西岡さんが事業承継というかたちで2017年にスタート、田野町名産の「西岡うなぎ」を飼育し、現在は息子さんとともに、親子二代で高知のうなぎ文化を支えています。
養殖のスタートは、体長わずか6cmほどのシラスウナギの買い取りから。そこから7ヶ月〜1年ほどかけて、食べ応えのある1000〜1200gサイズにまでじっくり育て上げていきます。餌には魚粉とでんぷんをベースに、地元・高知の地酒「美丈夫」の酒かすをブレンド。ほんのり香る酒粕の風味が、うなぎの旨みや香ばしさを引き立てています。
養鰻場は、西岡さんが土木業時代に培った知見を活かして、自ら手がけたもの。スタッフのみなさんがオリジナルTシャツを着て、きびきびと作業する様子が印象的でした。現場にはチームの一体感と、丁寧なものづくりの空気が流れています。
商品展開も多彩で、白焼き・蒲焼きはもちろん、カット鰻・刻み鰻・肝串・骨せんべい・わっぱ飯など、問屋や飲食店のニーズに応じて柔軟に対応。元々京都の料理人をしていた弟さんが美味しく焼き上げます。味・品質・供給力のバランスが評価され、県内外からの引き合いが増えています。


「天然と養殖、どちらが美味しいか?」という問いには、「圧倒的に養殖ですね」と西岡さん。水質や餌を管理できることが、身の締まりや脂ののりを安定させるポイントだと語ってくれました。
ちなみに、育成中にごくまれに現れる白いまだら模様の「パンダうなぎ」は、水族館に提供することもあるそう。日々の養殖のなかにも、ちょっとした発見と出会いがある。そんな楽しさも、この仕事の魅力のひとつです。
西岡養鰻株式会社(にしおかようまん)
https://www.nishiokayouman.jp/